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【BL小説】もうすぐ卒業、親友に想いを伝えられず・・・・・

【BL小説】同性愛であることを受け入れるも感受性豊かな思春期、どうすることもできずに悩み続けていた主人公。
同級生で親友でもあるコウに片思いをしていたが本人に告白できるはずもない。
もうすぐ卒業も迫ってきた冬、せめて想いを伝えるだけでも・・・・・と悩み続ける主人公。

もうすぐ卒業、親友に想いを伝えられず


僕は、今十代でまだまだ幼さが残ります。

性欲が淡白なせいか、少し前までは誰かを好きになる事さえ知りませんでした。

そう、あの日までは・・・。

あれは、二年前の冬。

高校の卒業を約一ヶ月後に控えて、入学当初からの親友「コウ」と思い出をつくって、残りの時間を精一杯楽しもうと提案したのは僕だった。

「忙しい?」

「いや、べつに・・・」

耳によく響く低音の声。

それをこんなに近くで聞けるのも後一ヶ月かと思うと、少し寂しかった。

思えば、初めて会った時に声をかけたのも僕だったと過去を少し懐かしんでいると、向こうから質問を投げかけられる。

「なんだ?行きたい場所でもあるのか?」

「行きたい場所があるわけじゃないんだけど・・・、もうすぐ卒業だから最後に思い出でもって、思ってね」

「そっか、そうだな、ならお前の行きたい場所でいい、どこか行きたい場所はないのか?」

「えっ、また僕?いつも僕だろ~最後ぐらい、コウが決めてよ」

「最後だから、だろ」

「そんな事言われても・・・、そうだなーじゃあ、プラネタリウムなんてどうかな?僕、小さい時から星が好きなんだ。館内だから、寒くないし」

必死に考えて、真冬のこの時期ではアウトドアは寒いだろうと思い、建物内で見ることができるものなら、と思ったのだ。

「プラネタリウム?ああ、いいぞ。なら今週の日曜はどうだ」

「大丈夫、じゃあいつもの駅前で。なんだか、この前皆で修学旅行に行ったけれど、もう一度二人で行くみたいだね」

少し照れながら、だけどしっかりした声でそう言う。

「そうだな・・・」

その会話を最後にコウと別れ、自分の帰路へ着く。

今週の日曜日の事を考えると、自然と頬が緩んだ。

日曜は、雲一つない青空が広がる日だった。

「待たせたか?」

待ち合わせの時刻より、十五分前に着いていた僕は少し浮かれ過ぎかと思っていたが、コウが来たのも待ち合わせの十分前だった。

「全然、まだ十分前だよ、じゃあ行こうか」

コウと肩を並べて歩き出す。

コウは僕の頭一つ分は大きくて、目線はいつも上に向けることになる。

一緒にでかけるのは久しぶりで、ついついテンションが上がってしまう。

「日曜なのに人、あまりいないな」

行き着いたプラネタリウムの館内は、休日と思えない程ガランとしていて二、三組のカップルや親子連れしかいなかった。

少し後ろ側の中央の席に並んで座ると、照明が徐徐に暗くなり始める。

「久しぶりだな・・・、小学生の時以来だよ。来て良かった」

「そうか、ならプラネタリウムで良かったな」

そう言って、コウは口元を緩める。

普段はあまり見せない笑顔が見れて、僕もつられて笑顔になる。

照明が完全に落ちると、アナウンスのよく通る声が館内に響き渡る。

そして、天井を被っていた幕が開くと目の前に一面の星々が広がる。

何度見ても変わらず、色褪せることのない純粋な感動に思わず感嘆の声があがる。

「わぁ・・・」

「綺麗だな・・・」

「うん、何回来ても、この綺麗な夜空が忘れられなくて小学生の頃はよく通ってたんだ」

アナウンスの解説に合わせて、夜空の星々が移り変わっていく。

そうやって夜空を眺めている内に、この三年間の高校生活の思い出が走馬灯のように駆け巡り、堪え切れなくなった思いが涙となって溢れ、頬を伝い落ちる。

「どうしたんだ」

星の光で泣いていることをコウに気づかれてしまったらしい。

「ん・・・ちょ、ちょっと今までのこと思い出して、そしたらなんだか、寂しくなって・・・、卒業したら、皆が遠くなっちゃうなってね」

嗚咽を堪えながら、言葉を紡いでいく。

本当に楽しかったのだ。

皆で馬鹿な事をして、笑って、子供でいられたのだ。

「そうだな・・・、俺も寂しくなる。だが、いつまでもこのままではいられない、こうやって出会いと別れがあって、皆少しずつ大人になっていくんだ」

男が泣くなんて、と女々しいと馬鹿にしたりもせず、紳士な対応に必死に涙を堪えようとする。

「ありがとう・・・」

コウの目を見て、そっと呟く。

笑ったつもりだったが、涙でぐちゃぐちゃの顔では、笑ったのが分からなかったかも知れない。

次の瞬間、星の光が消え、辺りが闇に包まれる。

それとほぼ同時に唇に柔らかいものが押し当てられた。

「・・・?」

それは、優しく触れただけですぐに離れていった。

照明が明るくなって、アナウンスの閉館の言葉が耳に流れていく。

さっきのは何だったのかと思い、隣を振り向くとコウが赤面して俯いていた。

それを見てようやくさっきのが何だったのかが分かり、つられて僕まで赤面する。

帰り道は二人とも、一言も話さなかった。

ただただ、歩き続け、気が付けば帰路に着いていた。

卒業式までお互いに話す事はなかった。

それぞれの想いを抱えて。

「なんだよ、コウと喧嘩でもしたのか?」

「いや・・・、別にそんなことないよ」

そう、クラスメイトに訊ねられてしまう程に。

そして、卒業式当日を迎えた。

この日は、コウとプラネタリウムに行った日とよく似た天気で、雲一つない青空が、どこまでも広がっていた。

「元気でな・・・」

「うん」

「頑張れよ」

皆、思い思いの言葉を告げ、校門をくぐっていく。

やはり、寂しい思いは込み上げてきたが、あの時のような切なさはなくなっていた。

「皆も・・・元気で・・・」

皆に伝えたい言葉は山ほどあったが、その一言だけを告げ、その場を後にする。

もっと、もっと言葉を伝えたい人がいる。

三年間、一番近くにいた、その面影をさがす。

すると、今にも校門をくぐろうとするコウの姿がそこにあった。

「コウっ、待ってっ」

振り返ったコウの顔には、一瞬驚きの表情が浮かんだ。

けれど、すぐにいつもの冷静な顔に戻る。

「なんだ?」

その突き放すような声に、胸が痛んだ。

だけど、このままでいいのかも知れないと思う。

お互いに、進みたい大学も進路も決まっていた。

二人の大学がある場所は、地元の高校から遠く離れていた。

自分の存在で、相手を縛りたくはない。

お互いの考えは同じだった。

その考えが分からない程、この三年間無駄に過ごしてきたわけではなかった。

初めて気付いた、自分の想い。

きっとこれが初恋なのだ。

全てを受け止めた上で、伝えたい言葉。

「コウっ、卒業おめでとう」

「お前も、卒業おめでとう」

さっきとは、想像もつかないくらいの柔らかな声音に満面の、精一杯の笑顔を浮かべる。

そうして、コウは一度も振り返らず、校門をくぐっていった。

その背中は、入学したての頃よりも、ずっと逞しくなっていた。

あの日を境に、僕は高校を卒業し、大学へと進学した。

あの人を想うと未だに胸が軋むようにいたい。

けれど、ふりかえれば、いつの日か、コウを想えて良かったと心の底から思えるようなそんな気がして。



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